人生のシナリオと「宿命」のスピリチュアルな真実|変えられない運命はある?

人生のシナリオと「宿命」のスピリチュアルな真実|変えられない運命はある?「人生には、どうしても避けられない出来事があるように感じる…」「これは、変えることのできない『宿命』なのでしょうか?」前回の記事では、私たちの人生には魂が決めた「運命」というプランがありつつも、自由意志によって未来を切り開いていける、というお話をさせていただきました。

しかし、中には運命よりもさらに強く、まるで抗うことができないかのような出来事に直面することもあります。それこそが、今回のテーマである「宿命」です。この記事では、「人生のシナリオ」というスピリチュアルな視点から、「宿命」とは一体何なのか、運命との違い、そして、私たちがその宿命とどう向き合えば良いのかについて、深く解き明かしていきます。
【目次】
宿命とは?

「宿命」と聞くと、重く、暗いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。ですが、スピリチュアルな視点で見れば、それは魂が最も成長するために自ら設定した、大切なチャレンジでもあるのです。恐れることはありません。一緒にその本当の意味を探っていきましょう。
まずは宿命という言葉の意味を確認しましょう。
しゅく‐めい【宿命】
生まれる前の世から定まっている人間の運命。宿運。しゅくみょう。「海に生きる宿命にある」「つらい宿命を負う」
コトバンク
運命という言葉もそうでしたが、宿命という言葉もわりと定義が曖昧ですね、もはや「運命」と同義であるかのようにも見えます。
もともとはしゅくみょうと呼ばれる仏語で、その定義は、「人が生まれる前から定まっている運命や、過去世からの影響、あるいは変えることが難しい定められたこと」です。
私なりに再定義すると、「運命」は変えられる。「宿命」は変えられない。という違いになると思います。
運命と宿命のスピリチュアルな違いとは?
運命と宿命は、似たような言葉として使われることが多いですが、スピリチュアルな意味では明確な違いがあります。
命(めい)
運命と宿命、どちらもあなたの人生や「命(いのち)」にかかわる、宇宙の法則による力の働きの一つです。
「命(いのち)」とは人間の「いのち」「生きる期間」を意味する言葉ですが、実は「命(めい)」という言葉にはそれ以外にもとても大切な意味があります。
「命(めい)」とは「いいつける」「告げる」という意味があり、命は天より与えられているものです。
つまり私たちのこの地上での「命」とは、私たちの生命として生きるエネルギーや時間であるとともに、私たちに与えられた命(めい)を果たす機会であると言えます。
人はそれを「使命」と呼んだり、「天命」と呼びます。
運命(うんめい)
運命とは、人間を超越した力、宇宙の法則によってきめられた人生の道筋や、そこで起きる出来事を支配する力です。
「運」という言葉には「巡り合わせ」「はこぶ」「さだめ」といった意味があり、運命は人生に起きるさまざまな巡り合わせであり、自らの意志でことを「運ぶ」ことが出来ます。
つまり人間の運命は宇宙の法則によって支配されていても自らの意志や行動で変化する要素があるのです。それは、魂が決めた人生のプラン(シナリオ)における、選択可能な複数のルートのようなものです。
宿命(しゅくめい)
宿命とは、人間を超越した力、宇宙の法則によってきめられた基本的には変えることの出来ない事象、それは未来に必ず起きる出来ごとです。
あなたの宿命は、あなたの前世の行いの結果によって定められています。
「宿」という言葉には、「やどる」「やどす」「とまる」という意味があり、宿命はあなたの魂そのものに「宿る」命(めい)なのです。
人生のシナリオにおける「宿命」の本当の意味
宮本武蔵と佐々木小次郎は巌流島で決闘をしましたが、運命ならそれを避ける道筋があったかもしれません。あるいは互いに酒を酌み交わすような未来もあったのかもしれません。
ですが、この決闘が二人の宿命であったなら…?宿命から逃れることは限りなく不可能であったでしょう。では、私たち人間の人生に、運命よりも強い拘束力で働く「宿命」とはいったいなんなのでしょう?
運命は、自分自身で決めてきた人生のプランであり、その中にはさまざまな条件で変化する道筋がありました。
それに対し、宿命は、人生のシナリオにおける「核心的なテーマ」であり、最も強制力の強いカルマの発動そのものと言えます。それは、魂が今世で必ず向き合うと決めてきた重要な学びの機会であり、時に、死の時期さえも決められている場合があるほど強力なものなのです。
つまり宿命とは…
カルマの法則によって前世の結果が「原因」で今世に起きる、魂の成長のための、逃れがたい重要な学びのテーマなのです。
もちろん良い宿命というものも存在します。
例えば幾度もの生まれ変わりで、神の道を歩み、徳を積み、霊性を高めてきた人が、その結果として今世では師となり人々を導く宿命を背負って生まれてくるという場合もあるわけです。
宿命は人生のシナリオにどう現れるのか?
下の図は前回の記事で「運命」を説明した時に使った、山田一郎(仮名)さんの運命図です。
人生の中にいくつもの分岐ルートが存在し、運命は自分自身の意志や行動で変えていけることを示しています。
この山田一郎さんに、もし何かしらの宿命が宿っていたとしたらどうでしょう?
例えば山田一郎さんは前世で「ひき逃げ」という罪をおかしたとします。さいわい被害者の方は命を失わずにすんだものの、人生の大切な時期に4ヶ月ほど入院することになりました。
山田一郎さんは自首せずに、誰かにとがめられることもなく前世を終えました。その前世の行いが「原因」となって、今世の人生にある事象を引き起こします。それは…こんどは山田一郎さんがひき逃げをされるという出来事です。それが今世生まれる時に山田一郎さんにやどった「宿命」です。
山田一郎さんの運命は8つの結末に分岐していますが、「宿命」はこの8つの結末のどこに進もうとも、シナリオの確定イベントとして必ず起こります。
山田一郎さん自身も、人生の大切な時期に、数ヶ月入院することになります。
この話は架空のものですが、私たちの人生には、こうした自分の過去の行いが引き起こした結果の連鎖が数多にあり、それが宿命となって現れることがあるのです。
変えられない宿命(シナリオ)を乗り越えるスピリチュアルな力
「ならば宿命は全く抗えないものなのでしょうか?」
その問いに答える前に、まずお伝えしなければならないことがあります。
巷で言われる「書き換え方法」の限界
ちまたのスピリチュアルでは、言霊の力や潜在意識への働きかけで、人生のシナリオを自由に書き換えられるという話がよく聞かれます。それらは、日々の運気を好転させたり、運命の分岐をより良い方へ進めたりする助けにはなるかもしれません。しかし、こと「宿命」に関しては、その本質を捉えているとは言えません。
なぜなら…
最も強制力の強いカルマである宿命の前では、それらの方法は「巨大な城の堅い城壁に、小さな石を投げているようなもの」だからです。
いくらポジティブな言葉を唱え、良いイメージを心に描いても、魂の最も深いレベルで設定された宿命を、にわかな「悪あがき」で動かすことは、限りなく不可能に近いのです。
真に宿命を動かす、魂の力とは
では、宿命は絶対に変えられないのでしょうか?
いいえ、僅かながらですが、その結果を好転させ、乗り越える可能性は存在します。それは、小手先のテクニックではありません。あなた自身の魂のあり方、そのものが問われるのです。
一つは「神の慈悲の法則」です。
宿命というカルマが発動するまでの間に、どれだけ徳を積み、他者のために愛をもって行動したか。その善い行いの積み重ねが、奇跡的に宿命の影響を和らげることがあります。
そして、もう一つが、神から与えられた最も尊い力、「自由意志」です。
ただし、宿命を動かすほどの自由意志とは、生半可なものではありません。
記事の冒頭で、「交通で亡くなる宿命」の例を挙げました。
ある人が、過去世で憎んだ相手の息子として生まれ、その母を憎み続けていたとします。彼の宿命は、その母との関係でながらく木津付け合ってきて、今世は事故で命を落とすことが決まっていました、それも苦痛の末にという無残な宿命です。
しかし彼は、苦しむ母を目の前にした時、長年の憎しみという「自分自身の悪しき因果」を乗り越え、母を助けるという「愛の行動」を選びました。
その結果、憎しみの螺旋は断ち切れ、彼は事故に遭いながらも命を失わずに済みました。
これは、彼が、何世代もの輪廻転生の中で捨てられなかった、消化できなかった「因果」を断ち切ったからにとか成りません。
これこそが、宿命に干渉し、乗り越えるほどの「自由意志の力」なのです。
結論を言えば、宿命は、安易な方法で変えられるものではありません。
しかし、日々心を清め、愛を持って生き、そして、いざという時に我欲を捨ててでも他者のために行動できるほどの強い意志と愛を持つこと。それこそが、最も重い宿命さえも乗り越え、魂を飛躍的に成長させる唯一の道なのです。
ですから…
もしいまが辛く苦しい時期でも、未来に希望をもって日々を正しく生きてください。
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