魔術 – スピリチュアル体験 第38話

魔術の仕組み

「魔境」に入ってからはとくに魔術への関心や勉強をする機会は増えました。
度重なる浄霊で心身の余裕が徐々になくなってきていたのと、霊道の一件で護符の力に味を占めたので、それまでの浄霊のやり方より楽で効率の良い方法を編み出すべく魔術の研究は暫く続きました。
世界のエネルギーの流れ、その仕組みが分かると儀式の意味が分かり、僕の体の中のエネルギーの流れと仕組みが分かると、魔術の仕組みも分かってきました。当時意欲的に知識を仕入れたのは陰陽道と西洋魔術です。
これらは潜在的な部分で多くの共通点を持ってました。
でも極論を言えば魔術的な事柄はその体系が何であれすべて共通してる、とも思えます。

人は自然治癒能力で体を治してるにもかかわらず、薬を飲みます。
薬じゃないものを薬だと言って与えても薬を服用したとき同様に効果が出る場合もあります。また薬の成分を強く頭に念じても作用する場合もあります。
例えば、霊的なエネルギーを扱う力がある人間が、頭痛がするとき目に見えない頭痛薬を手のひらに作りだしそれを飲んだなら、頭痛は止みます。
ビールを水に変えるとか、以前テレビでやってましたが、味を変えるぐらいなら誰にでもできそうです。

魔術が思考の具現化、想念の物質化を補助する

僕はそれまで浄霊のために魔術の儀式的なことは何一つしたことがありませんでした。
僕がやってきた方法は、｢霊が浄化されるまで祈る｣ただそれだけです。
思考の具現化　想念の物質化　という考え方で言えば何事も念じれば叶うのですから。

ですが僕らの肉体は物質です。物質に直接影響するのも物質です。
ゆえに、｢思考の具現化｣｢想念の物質化｣、これをより効率的に行うには思考だけではなく、物質的な行動を伴うことはとても有効です。
魔術とは見えない高次世界とエネルギーの構造を理解し、高次のエネルギー物質を利用し、この３次元世界になにかを創造するための智恵です。
思考の具現化　想念の物質化を効率よく速やかに行う補助的行為とも言えます。

愛がやはり一番大切

ですが、「どれだけ大規模な儀式をするか」より「どれだけ愛のある人間が祈るか」の方が重要であると言うことが僕の結論です。

儀式も言葉も要らず、ただ愛によってそれが成せるからです。
愛とはすなわち創造（神）の力です。

このころの僕には過去の聖人たちのほどの巨大な愛も力もありませんでした。
ゆえに、自分自身の力と信仰の至らなさを魔術的な知識や技術で補うことを覚えたのです。

それは自分の祈りや愛の力にはまあまあ自信がありながらも、魔術的な知識が技術も応用したら、より効果的に色々できるだろうという意識であったと思います。